並製本と上製本
並製本(簡易製本)
単一表紙で本文を包む方式で、主としてペーパーバックの本がこれにあたる。表紙にはPP貼りなどを施すことが多い。また、表紙デザインを簡略化して表紙カバーで包む(おかしわ)こともある。製本は平綴じ、無線綴じにする。
上製本(本製本)
表紙に厚紙。板紙などの芯をいれ、まる背や角背にしたり、花ぎれなどを付ける。表紙は布貼りや場合によっては皮を使用することもある。表紙は刷本より大きめに作られている。

書籍・雑誌の綴じ方
糸かがり綴じ(糸綴じ)
「糸かがり綴じ」とは、その名の通り本の背を糸でかがって綴じていく製本方法です。
糸で綴じた後、下固めとして接着剤が塗布されます。これは手作り製本としては王道とも言える方法で、接着剤で背面を貼り付けるだけの無線とじと比べると時間はかかりますが丈夫な仕上がりになるため、辞書など上製本、つまり表紙がハードカバーになっているある程度厚みのある本にはこの方法が採用されています。
また、この構造上、本を見開きにした場合にセンター付近に広がる接着剤の面積が小さく開きやすいことがメリットで、見開きの絵柄や写真がある場合に接着剤で損なわれる危険性も少なくなります。
しかし、手間とコストがかかるため、現在では低コストで大量生産が可能な無線とじが主流になっており、前述の通り辞書などの特別な目的の為に発行される出版物にのみ、この方法が使用されます。
平綴じ
平綴じ(ひらとじ)とは、製本の方式の1つ。丁合の完了した折丁の背から約5mmを綴じ代として2~3ヶ所を針金で綴じる。針金綴じしたものは背に糊を付け(背固めと称す)、最後に表紙を貼り付けて完成となる。広義には、針金を用いない「無線綴じ」を含むことがある。
日本では、書籍のほとんど全部がこの綴じ方であり、学校の教科書に使用されていることの多い綴じ方が「平とじ」です。教科書を見ると、背部分が糊付けされていて、尚且つその少し内側部分に針金のようなものが浮き出ていることがあります。つまり、背を接着剤で綴じる「無線とじ」と、冊子を開いた状態で重ねて真ん中をホッチキスで留める「中とじ」とを組合わせた綴じ方です。具体的には、まず中とじで16ページほどの薄い紙の束を作り、これを幾つか集めて1冊分とします。これら1冊分を構成する冊子の背に接着剤をつけて無線とじしたのが平とじ本というわけです。背表紙の内側、約5㎜程度内側で金具で留められるため、丈夫ですが180°開くことはできません。そのため5mm程用紙の印刷幅が狭くなります。
また、背表紙が作れる点も中とじにないメリットですが、無線とじと中とじ両方の工程を必要とする為、やや料金が高くなる傾向にあります。
無線綴じ
無線綴じ(むせんとじ)とは、製本の方式の一つ。糸綴じの代わりに、折り丁を重ねた刷本の背に溝を付け接着剤で貼り合わせる。印刷業界で最も一般的な綴じ方。並製本はほとんどこの方式。丁合の完了した折丁の背に糊を塗布して表紙を貼り付ける。広義の「平綴じ」に含むことがある。
無線の名は製本の際に線(糸や針金)を使用しない事によるもの。
背を一度切り落として接着面を作る切断無線綴じと、切り込みを入れて糊を浸透させるアジロ綴じに大別される。中綴じほどではないが、比較的安価な方式であり、ページのずれが無いため中綴じよりもページの多い冊子に向く。背の端のみを固定するため、本を喉の部分まで一杯に開くことができるが、背を削ってしまうことや、また糊の柔軟性の点から見ても180°開くことはできないため、見開きの絵や写真を入れる場合はその分間を空けておく必要がある。漫画誌、文庫本、コミックなど、安価かつページ数の多い冊子に多用されている。
本の背と言っても一枚一枚は薄い紙ですから、そこに接着剤を付けるだけでしっかり綴じることができるのか?と疑問に思われるかもしれません。しかしこの点を解決すべく、接着剤が触れる表面積を増やすための溝を背に入れてから綴じるのが一般的なので、本や冊子としての基本的な強度は十分に備えています。加えて糸かがり綴じなどの綴じ方と比べると工程数が少なくて済み簡単にできるため、前述の通り印刷業界では最も一般的な綴じ方として使用されているのです。
用途例としては、文庫本や雑誌、パンフレット、並製本、上製本など幅広く挙げることができます。
ただし、無線とじはその構造上センターいっぱいいっぱいまで開くことができません。そのためセンター付近ギリギリまで文字や絵柄が印刷されている場合に見えなくなってしまうことがあります。従って無線とじの場合、センターから15~20㎜ほど余裕を持たせて文字や絵柄を配置する必要があります。
アジロ綴じ
アジロ綴じは、糸や金具などを使わず接着剤のみで綴じる無線綴じの1種とみなせますが、一般的な無線綴じと比べると更に強度の強いものとなります。
一般的な無線綴じの場合、バラバラに切り離された状態の各ページの背に接着剤を付けて固めることで表紙と各ページとを繋ぎとめますが、アジロ綴じの場合は折丁の背に切込みを入れてスリット孔を作り、そこに接着剤を浸透させて繋ぎとめます。このスリット孔の大きさは印刷業者によって違いがありますが、大体10~15㎜程度のスリットを5㎜程度間隔をおいて入れていくのが一般的です。
このようにすることで各ページ同士も接着剤によって固められるため、各ページ同士は切り離された状態になっている無線綴じと比べてバラバラになりにくく、接着強度も強いものとなるのです。
ただアジロ綴じの場合、センター部分の接着剤の浸透量が多くなるため、ページがやや開きにくくなるのがデメリットです。見開きの写真や図柄を多く配置したい場合にはあまり向かない綴じ方と言えるかもしれません。アジロ綴じは、文庫本や月刊誌、カタログなどに多く採用されています。
中綴じ
中綴じとは、見開きの中央部(真ん中)を針金で綴じる方法です。
週刊誌、漫画雑誌、マニュアル(取扱説明書)、会報、パンフレット、リーフレットなどでよく用いられる。用紙の厚みの関係で、ページ数の多いものには向いていない。総ページ数は表紙を含めて4の倍数ページとなる。ノートや通帳などページを開いた状態で使うものにも使われる。折り曲げた状態で裁断されるため、ページによって広さが変わり、紙厚分だけ中央部のページが狭くなるので版面の位置に注意。
中とじの製本は、無線とじとは異なりセンター部分までしっかり開くことができるという点がメリットです。一番開きやすい真ん中のページの見開きのことをセンターフォールドと言い、見開きで写真や絵、図面などを配置したい時に向いている方法で、具体的には週刊誌や家電製品の取扱説明書、パンフレットなどに使用されています。
ただし、紙を重ねて折り曲げるという構造上、ページ数の多い分厚い出版物には向いていません。
また外側のページ(表・裏表紙)に合わせて中のページのはみ出た部分は断裁されてしまうため、その部分に文字や絵柄が入っていると切り取られてしまうことになります。これを避ける為、中とじの場合はページの端からマージン(5mm程度)を取ってデータを配置する必要があります。また、背にあたる部分がないので背文字を入れることはできません。
天巻き製本(てんまきせいほん)
主にノーカーボン紙や上質紙を使った複写伝票あるいは単票の冊もの形式の製本様式。事務用製本専用の接着剤を使うことにより、ノーカーボン紙やカーボン紙を使用した複写物の場合なら伝票丁合機による丁合、断裁機による断裁ののち事務用製本専用接着剤を糊付けし、自然乾燥させたのち、表紙・裏表紙の間をナイフを使って分冊する。ミシン目加工されているものなら、綴じ機で平綴じする。その後、マーブル貼り機でマーブルやクロスを貼る。穴あけが必要ならドリル穿孔機で穴あけ加工をして完成する。裏表紙に板紙を使うこともあり、ノーカーボン紙に必要な折り返し式の下敷き付裏表紙(主に白板紙を使う)に製本することもある。一冊の中紙が全て同じ印刷の場合は、主に上質紙・A模造紙・ノーカーボン紙の中用紙等を使うが、100枚(通称:100天)あるいは50枚(通称:50天)毎に員数機(紙枚数を高速に数える機械)で合紙をいれ、紙揃え機で紙を揃えつつ合紙毎に間に手で表紙・裏表紙を入紙し、断裁機による断裁ののち、事務用製本専用接着剤を糊付けし、自然乾燥させたのち、表紙・裏表紙の間をナイフを使って分冊する。その後、マーブル貼り機でマーブルやクロスを貼る(貼らない仕様のものもある)。穴あけが必要ならドリル穿孔機で穴あけ加工をして完成する。
※右の写真は、伝票の天巻き製本の一例です。






